20代〜30代は、将来に会社の経営者層などのより重要な地位に就くための準備段階です。この時期にいかに価値のある人材に成長できたかが、あなたの将来を決定します。逆位に言うと、この時期に目の前の仕事を闇雲に頑張って現場で高い評価を得ることが出来たとしても、40代〜50代になった時に会社にとっては価値の低い不要な人材となってしまします。
私は採用側として多くの転職希望者を面接してきました。また、転職者を紹介してくれる転職エージェントとも多くの取引をしています。
「短期的な給与アップ狙い」「不明確なキャリアアップイメージ」「今の職場への短絡的な不満や不安」。これらを理由に転職を希望する人が殆どですが、このような転職はキャリアにとってとても危険です。
転職する際、「キャリアを戦略的に考えている」、つまり、現在の自分の抱えており課題と将来目指すキャリアとの差が生じている原因をしっかり理解した上で、どの様な転職先に転職し、「どの様なキャリアを積み、将来どの様なビジネスマンになりたかを考える必要があります。
この記事では、前回までの【前編】【後編】の記事で考えた10の転職理由の考察を元に、あたなの転職を戦略的に考えるポイントを9項目にまとめました。
この記事を書いている僕のキャリアの概要です。
-
- 理系大学、大学院卒
- 米国NY州大手IT企業のSE
- 同社のITコンサルタント
- 米国ボストンにある大手戦略ファームの経営コンサルタント
- 日系大手コンサルティング会社役員
- 独立起業(起業当時は上記会社役員と兼業)
現在、僕の会社は優秀な社員たちにお任せして、僕は海外を回りながら株主兼非常勤取締の立場でリモートで会社の運営に関わっています。
本記事の内容
- あなたの転職理由の10の質問
- あなたの転職を戦略的に考える9ポイント
- (1)会社の課長、部長があなたのキャリア人生の終着点です。それで満足できるか?
- (2)あなたの会社の外の友だちを妬んだり羨むことが多いか?
- (3)今日の仕事の延長線上は、会社全体を理解できるスキルが身に付く仕事か?
- (4)レッドオーシャンで勝つチャンレンジを会社でさせてもらえているか?
- (5)あなたの会社は、給与や処遇の渡し方であなたをダマしてないか?
- (6)あなたの会社は10年前と業務が大きく変わっているか?
- (7)あなたの会社の10年分のアニューアルレポートを読んで不安を感じるか?
- (8)現在全く流行りではないありきたりの仕事をさせられていないか?
- (9)あなたの会社の同僚は他社と比べて優秀か?
- (10)あなたの本音では成りたい自分の姿があるんじゃないか?
あなたの転職理由の10の質問
今の仕事・職場があなたにとって正しい場所かを考えます。
この記事は【前編】【中編】【後編】の3部編成に別れて書かれた「【35歳までに読んで欲しい】あなたの転職理由を決める10質問」の【後編】になります。
この記事全体は、次の3部編成で記事を進めています。
【前編】10の質問の1〜5について解説
【中編】10の質問の6〜10について解説
【後編】全体の総括と取るべきキャリア戦略(本記事)
この【後編】は、全体の総括と、今後の取るべきキャリア戦略の解説となります。まだ【前編】【中編】をご覧になっていない場合は、先ずは【前編】【中編】の順にお読み頂いてからこの【後編】に戻ってきて頂ければと思います。
さあ、【後編】を始めましょう。
先ずは、あなたが転職すべき「10の理由」をおさらいしておきましょう。
- 会社の課長、部長があなたのキャリア人生の終着点です。それで満足できるか?
- あなたの会社の外の友だちを妬んだり羨むことが多いか?
- 今日の仕事の延長線上は、会社全体を理解できるスキルが身に付く仕事か?
- レッドオーシャンで勝つチャンレンジを会社でさせてもらえているか?
- あなたの会社は、給与や処遇の渡し方であなたをダマしてないか?
- あなたの会社は10年前と業務が大きく変わっているか?
- あなたの会社の10年分のアニューアルレポートを読んで不安を感じるか?
- 現在全く流行りではないありきたりの仕事をさせられていないか?
- あなたの会社の同僚は他社と比べて優秀か?
- あなたの本音では成りたい自分の姿があるんじゃないか?(人は人、自分は自分。僕の人生で最も大切な言葉です。)
あなたの転職を戦略的に考える9ポイント
(1)会社の課長、部長があなたのキャリア人生の終着点です。それで満足できるか?
大企業に入社して役員になれる人は1,000人に1人、確率で言うと0.1%と言われています。つまり、現在あなたが所属している会社で、あなた到達できるキャリアの限界は課長もしくは部長と考えるのが現実的。
転職を考えるときに必ず確認しなければいけないことは、転職先の課長クラス、部長クラスの給与です。
また、部長になれる可能性は1%程度、課長になれる可能性も10〜20%程度です。つまり、主任等の肩書はつくものの、管理職ではない平社員で終わる可能性も考慮すると、転職先の40代、50代での平均的な給与を確認しましょう。40代、50代は、子供の進学、住居の購入、家族での海外旅行など生活費の種類も増え、あたなの給与水準が家族の生活レベルに直結します。若手社員を集めるために20代、30代だけ給与水準が高く、40代移行に昇給率が下がる会社もあります。
キャリアは定年までがキャリアです。
(2)あなたの会社の外の友だちを妬んだり羨むことが多いか?
社会人になり3〜5年も経つと、学生時代の友だちとビジネスマンとしてのレベルの差が明確になり始めます。友だちとの差は、多くの場合、働いている業界や会社によるものです。
日本の場合、業界別の平均給与格差が非常に大きいのが特徴。能力の高い人材でも、平均給与水準の低い業界で働いている限り十分な給与は望めません。それどころか、自分より能力的劣る人材が平均給与水準が高い業界で働いているだけで、自分より高給取りになります。
年収は、ビジネスマンの実力や社会的地位を評価する指標です。ただ、「年収1,000万円以上は全体所得者のたったの上位5%」です。一方、「周りの友人の殆どが年収1,000万円超」といういうタイプの人もいます。これは、社員の誰もが年収が1,000万円を超える会社の社員にとって、「会社の同僚はみんな年収1,000万超え」だからです。つまり、「年収1,000万円を超えられるかどうかは、あなた実力ではなく、あなたが属している業界や会社による」ということです。
転職先を選ぶ際は、同じ業界内でより給与の高い会社を選ぶことも重要ですが、もしあなたがキャリアチェンジが出来る年齢(一般的には35歳まで)でしたら、今までのキャリアを活かしながらも、給与水準の高い他の業界も狙ってみましょう。給与水準の低い業界に入ってしまうと、その業界のスキルがあなたの専門分野と判断され、そこから抜け出すのは非常に困難です。
また、目の前の数年間の給与だけでなく、将来的に高い給与アップを可能にするスキルが身に付く業界や職種を狙うことも転職先を選ぶ時に考慮しましょう。例えば、経営コンサルタントは、その後のキャリアでも非常に高い給与やポジションを得るケースが多いです。
(3)今日の仕事の延長線上は、会社全体を理解できるスキルが身に付く仕事か?
ビジネスマンは将来的には「管理職」にならなければいけません。よく「俺は現場主義」と言う人がいますが、現場主義で良いのは40歳まで。現場は「活動力があり、頭の回転もよく、素直で、悪いことをしない、給与の安い、若者」が一番使い勝手が良いからです。40代、50代の平社員は若い社員よりもパフォーマンスが悪いくせに給与が高く、自分より年上の上司に向かって態度のデカさと文句だけは一人前。こういう老年の現場社員は、会社にとって厄介者でしかありません。
「管理職」でも課長と部長とではその役割は大きく違います。
課長は単なる現場の管理者です。現場のなかでちょっとデキる人で社内政治を頑張れば課長になれる可能性は十分あります。一方、部長は部門のバジェットの責任者となるため、現場の知識だけでなく、事業計画、売上、費用、人事、他部門との調整など多くの知識が要求されます。これらをしっかり出来て業績を残した部長が役員候補となります。
「部長でサラリーマンを終える、あわよくば役員等の経営陣に」というキャリアを望むなら、部門もしくは会社の運営ができる幅広い知識と経験を得られる職場選びが重要になります。
(4)レッドオーシャンで勝つチャンレンジを会社でさせてもらえているか?
企業が少ないコストと労力で利益を上げられる「ブルー・オーシャン市場」を探したいのは当然のこと。ただ、「ブルー・オーシャン市場」は魅力があるため、資本力の高い大企業が直ぐに参入してきます。また、そう簡単に「ブルー・オーシャン市場」が見つけられたら誰も苦労はしませんね。
一部の最先端スーパーハイテク産業を除き、一般的に多くの企業は「ブルー・オーシャン市場」ではなく、血で血を洗う「レッド・オーシャン市場」で他社競合と戦っています。そして、多くの企業は「レッド・オーシャン市場」で勝ちきれず、社員の給与も平凡な水準になってしまうのです。つまり、多くの企業から望まれる優秀な人材とは「レッド・オーシャン市場」での厳しい戦いでも企業に利益をもたらすことができる人材です。
「レッド・オーシャン市場」で勝てるスキルは、単に長時間労働を頑張れば良いだけの仕事、客の接待で遅くまで酒を飲めば良い仕事のような労働集約的なスキルではなく、「レッド・オーシャン市場」の中で顧客にとってより他社より魅力的なサービスや製品を提供して「自社にとってのブルー・オーシャン」を作り出せるスキルに他なりません。「レッド・オーシャン市場」で勝ち抜くプロセスを経ることで、将来、経営者層になった時に「ブルー・オーシャン市場」を見つけるスキルも身に付くわけです。
特にまだ対応力、吸収力、体力が高い若い35歳以内の時に「レッド・オーシャン市場」で自分を鍛えられる職場を選ぶことが、将来、優秀な会社の経営者層になるために重要となります。
(5)あなたの会社は、給与や処遇の渡し方であなたをダマしてないか?
年収は、ビジネスマンの実力や社会的地位を評価する指標です。あなたがキャリアをアップさせるということは、年収をアップさせることとほぼ同じだと考えても言い過ぎではありません。例えば、年収800万円の社長と、年収1200万円の課長のどちらを希望しますか?
ここで言う年収とは、基本給+賞与(ボーナス)の合計値です。アワードなどの特別一時金は含みません。アワードなどの一時金は、低コストで社員に会社に対して忠誠心を持たせるための人事施策でしかありません。
あなたがあなたの会社を評価する場合、一時金を含めない、年収(=基本給+賞与)で評価しましょう。社会からも、年収であなたは評価されます。
(6)あなたの会社は10年前と業務が大きく変わっているか?
(7)あなたの会社の10年分のアニューアルレポートを読んで不安を感じるか?
あああ
(8)現在全く流行りではないありきたりの仕事をさせられていないか?
流行りの仕事
(9)あなたの会社の同僚は他社と比べて優秀か?
会社の同僚
(10)あなたの本音では成りたい自分の姿があるんじゃないか?
成りたい自分
この記事が、皆さんの素敵な人生のお役に立つことを願っています。
makoto
コメント