2021年でデビュー45周年を迎えるアメリカが生んだモンスター・ロック・バンド「Boston(ボストン)」。メインリーダーのトム・ショルツが作り出すクリアーでヘビーなサウンドは、現代のロックサウンドに大きな影響を与えていると言っても過言ではないですね。ショルツが完璧主義者であるため、ボストンは1枚のアルバム制作に尋常ではない長時間をかけ、その周期は8年と言われています。
ボストンが最後にアルバムを出したのが2013年。その後8年目にあたる2021年。さて、どうなるでしょうか!2021年にボストンが新しいアルバムを出すことを期待して、ボストンについてまとめてみました。
この記事を書いている僕は、ロック、ブルース、ジャズ、ファンクなど様々なスタイルの音楽が大好きなアマチュア・ギターリストの端くれです。
本記事の内容
- Bostonの紹介
- Bostonのアルバム解説
- マコトのBostonとの思い出
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Bostonの紹介
Boston とは?
アメリカ人のトム・ショルツによって作られたバンドです。トム・ショルツは、アメリカ屈指の名門大学であるマサチューセッツ工科大学でエンジニアリングを学んだ秀才です。子供の頃からピアノを学び、大学生時代にはギターを始める。工科大学で学んだエンジニアリングの知識と音楽の知識を生かし、自宅の部屋に自力でプライベートスタジオを構築。その部屋で音楽レコーディングを開始しました。
この部屋でトム・ショルツがほぼ一人で作り上げたデモ・テープがCBSレコードに認められ、デビューすることになりました。CBSレコードが「現存するロックミュージックの中で最高の音楽だ」と評価したことは有名な話ですね。
トム・ショルツは「ロックマン」と呼ばれるエフェクター(音色を変える音楽機器)を開発したことでも知られています。「ロックマン」はプロ、アマ問わず、世界中のミュージシャンに愛され、ロックの音質に大きな影響を与えました。僕もロックマンのコーラスというエフェクターを持ってましたね。
ボストンは世界で最も成功したロック・バンドであると同時に、ロック音楽に最も影響を与えたバンドだと思います。マコト的なボストンの聴き方のオススメですが、とにかく全ての楽器パートを細かく聴いて欲しいです。「ギターやキーボードののフレーズや音質」、「ボーカルの美しさ」についつい耳が行きがちですが、ベースラインやドラムのフレーズなど、バックボーカルの絡み方など、とにかくきめ細かくてカッコいいです。
ボストンは、地球の音楽史で、最も完成された音楽の一つだと思います。
Bostonのメンバー
ボストンは次の2人のバンドだと言っていいでしょう。
トム・ショルツ(Tom Scholz) – 全パート
ブラッド・デルプ(Brad Delp) – ボーカル、リズムギター、キーボード
基本的には、ボーカル以外の全てのパートをトム・ショルツが一人で制作しています。ショルツが作った音楽にブラッド・デルプのボーカルが乗るというのボストンと言い切って良いでしょう。(ただし、デルプが参加していないアルバムがあります。下記で説明。)
完璧主義者のショルツが作り出す完成度の高い音楽に、美しくパワーのあるデルプの声が重なり、ロック史上最高の音楽が産み出されていきました。
ボストンに参加したミュージシャンは沢山います。細かい詳細はWikipediaなどを参照して下さい。
Bostonの来日履歴
ボストンは過去に下記の2回だけ日本公演をしています。
1979年
4月13・14日 大阪府立体育館
4月16日 福岡・九電記念体育館
4月18日・19日・20日 東京・日本武道館
2014年
10月2・9日 東京・日本武道館
10月4日 愛知県体育館
10月6日 大阪市中央体育館
マコトは、2014年10月9日の武道館での公演、観に行ったんですよ!!憧れのボストンのライブを観られたのは一生の思い出です。
Bostonのアルバム解説
Boston (1976) 幻想飛行
ボストンの記念すべきデビューアルバム。全米3位、全世界で 2000万枚を売り上げた驚異のデビューロックアルバムですね。
1曲目のMore Than Feelingでもう度肝を抜かれます。フェードインするアルペジオにブラッド・デルプの美しい歌声がゆっくりと乗ってくる。そして、直ぐにクリアーで歪んだサウンドはクライマックスへ誘います。この後のボストンのアルバムを知ってしまった状態で聴くと、「ボストンサウンド的なオーソドックスなアルバム」という印象を持ってしまいますが、1976年当時の衝撃は凄かったと思います。アルバムの中盤に差し掛かる3曲目のForeplay Long Timeの盛り上げ方なんて、アルバム全体を一つの作品として大切にしていた当時を思い起こさせてくれます。
Don’t Look Back (1978) ドント・ルック・バック
ファーストアルバムから2年後にリリースされたボストンのセカンド・アルバムです。余裕の全米1位。全世界で 800万枚を売り上げました。
ファーストアルバム同様、一曲目でいきなり盛り上げてくれます。最初のカッティングのリフはわりとありがちに聴こえるかもしれませんが、それからの曲の展開が凄い。宇宙船に乗って宇宙の果てまでドーンとすっ飛ばされるような圧力感。無重量状態でこれでもかというほど浴びせられる歪んだボストンサウンドもう鳥肌ものですね。このアルバムを堪能した当時のボストンファンは、次のサード・アルバムをどれだけ楽しみにしたことでしょう。ただ、8年待たされるとは夢にも思わなかったでしょうが。。。
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Third Stage (1986) サード・ステージ
セカンド・アルバムからなんと8年という長期間を開けてリリースされたボストンのサード・アルバムです。8年のブランクを物ともせず、全米1位 。全世界で400万枚を売り上げました。
実は、僕がリアルタイムでボストンと初めて出会ったのはこのアルバムでした。知人が「最近の新曲のオススメ」と言って色々なミュージシャンの曲が録音されたカセットテープを僕にくれたのですが、その中にリリースされたばかりのAmandaが入ってたんですよね。1987年の1月だったと思います。
本当に「衝撃的」の一言でした。
僕は当時既にギターを弾いてたのですが、知人がくれたテープに入っていたAmandaを聴き、直ぐにギターを手にとり、カセットテープを何度も巻き戻しながら必死でこの曲を耳コピしたのを覚えてます。ファースト・アルバムのところでも書きましたが、今のような曲単位でネットでダウンロードしたり、サブスクでランダムプレーできるような時代と違い、当時はアルバムが一つの完成された作品として大切につくられてました。ただ、ボストンほど、アルバムの最初の1音目から最後の1音までが完ぺきに作っているバンドは他に少ないんじゃないですかね。Third Stageは、最初から最後まで一気に聴きたいアルバムだと思いますね。My Destinationあたりの盛り上げ方はさすがです。因みに、当時、アルバムを買って全ての曲をギターでコピーしましたし、ライブでも何度もやりましたね。
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Walk On (1994) ウォーク・オン
ボストンの4枚目のアルバムです。全米7位 。全世界で100万枚を売り上げました。
当時、友だちとは「4枚目は8年後じゃない?」などと冗談半分で笑っていましたが、本当に8年かかるとは。。。さすがボストンですね。
ボストンのリーダーのトム・ショルツはマサチューセッツ工科大学を卒業の収載で、完璧主義者として知らているんですけど、Don’t Look BackからThird Stageまでに8年時間を要したのは、ショルツが完ぺきなサウンドを追求したからなんですね。それから8年後、更に完ぺきに磨きがかかったのがこのWalk Onです。僕も含めて、ファンは待ちに待っていました。Third Stageの衝撃が凄かったことと、メインボーカルのブラッド・デルプが個人の活動専念のために脱退してしまっていたこともあり、当時、Walk Onに対しては好き嫌いが別れたかもしれません。ただ、僕はデルプが抜けた穴を新ボーカルのフラン・コスモが見事に埋めてくれたと思っています。I Need Your Loveの完成されたサウンドに乗ったコスモの歌声には度肝を抜かれました。アルバムを流し聴きをすると、最後のWe Can Make Itで本当に勇気づけられ、アルバムが終わってしまうが惜しくてまた最初から聴いてしまうんですよね。
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Corporate America (2002) コーポレイト・アメリカ
4枚目から更に8年の月日を経てリリースされた、ボストンの5枚目のアルバム。全米42位。全世界で 50万枚のセールスを記録しました。
また8年でしたね。
ヘビーサウンドでオーソドックスなアメリカン・ロック・アルバムに仕上げってますが、このアルバムの特徴はなんと言ってもキンバリー・ダームとフラン・コスモのボーカルがかなりフィーチャーされていることですね。ブラッド・デルプが自信の声に不安を持っていたとも言われていましたので、この二人の参加はアルバムの完成度を上げるためには欠かせなかったとおもいます。僕は、特にキンバリーの参加がアルバムにとって良かったと思っています。彼女が歌う「With You」。近年ではこの手の曲調の曲はあまりウケなくなってますが、往年の古き良きアメリカンフォーク、2021年になって聴いても本当に素敵だと思います。また、「Cry」のコスモも歌声も素晴らしいです。好きな人を想ってダンスに誘いたくなるような本当に美しい曲です。
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Life, Love & Hope(2013) ライフ、ラブ&ホープ
ボストンの6枚目のアルバム。全米37位。僕はこのアルバムの時の武道館ライブ観に行きました!
5枚目のアルバムの後、ボストンを悲劇が襲いました。メインボーカルのブラッド・デルプが自殺してしまったんですね。僕も含めて、全世界のボストンファンが悲しみに暮れました。もうあのデルプの歌が聴けないなんて。。。
5枚目のアルバムから11年、デルプの死から7年の時を経てこのアルバムはリリースされました。
Sail Awayという収録曲がボストンにおけるデルプの最後の歌声です。Sail Awayを聴くと、やはりデルプが昔の輝きを失って苦しんでいるのが分かります。悲しくてこの曲を聴くのが苦しいです。
ボストンを通して人生を共に過ごした朋友ショルツとデルプ。ショルツにとってデルプの死は耐え難い苦悩だったと思います。Love Got Awayという曲で初めてショルツ自身がボーカルを務めていますが、やはりショルツにはデルプが必要だったことがよく分かります。
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マコトのBostonとの思い出
ボストンを生で観た最初で最後のライブ
2014年10月9日日本武道館のCorporate Americaのライブを観に行きましたが、それがボストンを生で観た最初で最後のライブとなっています。ボストンは活動を辞めたわけではないですが、今後、ライブで観れるかどうかは1947年生まれのトム・ショルツは2021年で74歳。難しいかなぁ。。。67歳のショルツのライブを観られたことが奇跡的だったのかもですね。
これがその時撮った写真です。席、余り良くなかったですが、感動しました。
2013年のLife, Love & Hope以降、Bostonはまだニューアルバムを出していません。8年周期を考えると、2021年にBostonの7枚目のアルバムが出ることを期待してこの記事を書きました。
地球のロック史上最高のバンド「ボストン」の音楽が、皆さんの人生の忘れられない素敵な思い出になることを願っています。
makoto
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